高田馬場・早稲田のあえ麺[油そば](麺珍亭、ぶぶか、にこにこ等)- 高田馬場B級グルメ

あえ麺とは、タレを出汁で割らずに中華麺と和えて食べるラーメンの一種である。

起源は諸説あるようだ。珍珍亭が起源とされることが多い。1958年に「中国人から教えてもらった和え麺のレシピを、先代がアレンジしてメニューに加えた」のが、「特注の太麺、チャーシューの煮汁と醤油、ラードを加えた特製ダレを混ぜて食べる」『dancyu』(2009年2月号)油そばだったとのことだ。

高田馬場・早稲田のあえ麺(油そば)一覧

あえ麺(油そば)専門店メニュー名価格
東京麺珍亭本舗油そば600円
ぶぶか 高田馬場油そば590円
油麺にこにこ油麺600円
武蔵野アブラ学会油ソバ600円
【閉店】北狼赤(辛いあえめん)800円
黄(かれーあえめん)800円
春日亭鳥豚油そば(中盛)650円
懐旨新味 かつの花油そば550円
麺爺あぶら油そば 黒(醤油)480円
店名メニュー名価格
紅蓮香味油そば650円
千代作油そば550円
麺屋 哲油そば580円
やったる油そば600円
めん処 翔背油そば620円
麺家 KAZU汁無旨辛麺650円
麺屋さくら油そば650円
kokoroBA油そば750円
鷹流冷やしあえそば850円

あえ麺(油そば)はオイシイ?

あえ麺は、タレを出汁で割らずに麺と和えて食べるラーメンの一種である。

ラーメンの場合は出汁が重要だ。例えば鶏がら、豚骨、野菜を毎日8時間煮出して出汁をとり、毎日12時間の営業中はこれを維持しなければならない。この管理は大変そうだ。コストとして人件費、水道光熱費、設備費がかかる。

つけ麺専門店はこのコスト高の出汁を減らすことに成功したが、あえ麺専門店は出汁が全く不要になる。出汁をとるための設備やスペースさえ不要になるのだ。オイシイ商売であることは間違いない。美味い麺とタレさえ準備できればいい。

あえ麺(油そば)のレシピと作り方は?

麺はラーメン用の生麺。タレはごま油、オイスターソース、醤油。具はお好みで。

  1. ごま油、オイスターソース、醤油を1:1:1で混ぜる。
  2. 生麺をゆでる。
  3. タレと麺と具を混ぜる。

お好みでラー油と酢を加え、混ぜてから食べる。

スーパーでラーメンスープを購入しても良い。豚骨系がオススメだ。一食分で50円程度である。

  1. 生麺をゆでる。
  2. ラーメンスープと麺と具を混ぜる。

お好みで醤油とラー油、酢を加え、混ぜてから食べる。

馬場麺とは?

馬場麺とは、具の上に麺をのせた汁なし麺のことだ。

馬場麺の定義が発案者の高田馬場ラーメン組合のブログ2010年11月24日に掲載されている。馬場麺の三ヶ条だそうだ。

  1. 汁なし麺であること
  2. 麺と具が逆であること
  3. 店の個性が出ていること

要するに、馬場麺とはただのあえ麺(油そば)である。

店舗からすれば、馬場麺は汁なし麺なので利益率が高く、具の上に麺をのせる見た目はオペレーションを簡略化させる。麺の茹で上がりを待たずに丼にあらかじめ具を投入しておくことができるからだ。また、馬場麺は麺やタレ、具に統一感をもたせないことによって、組合に参加するどんな店舗でも提供可能なメニューとなった。

馬場麺の第一弾は、2010年11月3日から7日まで駒沢公園で開催された東京ラーメンショーに高田馬場ラーメン組合が出品したあえ麺で、ジャガイモ、粉国産小麦、タピオカ粉の3種類をブレンドした麺で、醤油ダレと塩ダレの2種類が提供された。

ショーの終了後、組合に参加する各店舗は各店舗ごとの馬場麺を提供しはじめた。組合参加店舗が続々とあえ麺をメニューに追加していったことになる。

この流れは2011年5月現在でも継続しており、高田馬場は都内屈指のあえ麺の街になっている。

東京麺珍亭本舗

店舗外観 店舗外観

1997年10月25日に油そばばかり売れて面白くないので当分の間、国へ帰らせていただきます 汁そば*という張り紙が食券機に貼られていた。これ以降は油そばだけを販売するようになったのかもしれない。

1998年3月中旬に新宿御苑前に支店を開店したが、同年11月5日には既に閉店している。

2010年4月25日に西早稲田店が開店して、本店は鶴巻町店と呼ばれることになった。

2009年07月25日油そば大盛

麺珍亭で油そば大盛を食べた。600円だ。麺にラー油と酢をたっぷりとかけて混ぜてから食べる。

油そばという名称から想像されるより油っぽさは感じない。ノズルのついた容器からラー油と酢を丼に3周ずつかけ、混ぜてから食べる。麺はモチモチとしており酢やラー油と馴染みやすい。具はチャーシュー、メンマ、海苔。卓上には唐辛子、胡椒。後半に唐辛子も投入。あっという間に食べ終わる。大盛でも物足りなさを感じる。

油そばには中毒性を感じる人がいるようだ。頻繁に通う人、ふと思い出して通う人。通信販売もしている。

店舗

住所

新宿区早稲田鶴巻町565

外苑東通り沿い西側で新目白通りとの交差点傍ら。看板の大きな「油」の文字と店の前の行列が目印。

参考

ぶぶか 高田馬場

店舗外観

ぶぶかは1994年2月に当時の明星食品㈱営業マンが会社の特命により屋台で創業。店名は棒高跳選手の「鳥人」セルゲイ・ブブカに由来する。1995年には吉祥寺に店舗開店。2002年2月、明星外食事業㈱が営業権を取得。2008年10月、明星外食事業㈱は味の民芸フードサービス㈱に社名変更。2009年8月現在、同社が経営。

店舗は吉祥寺、高田馬場、コクーン新都心大宮の三店。

2009年08月15日油そば+生玉子

ぶぶかで油そば+生玉子を食べる。590円+50円だ。

麺はストレートな太麺だ。具はチャーシュー、メンマ、ナルト、海苔、ネギである。油、醤油ダレと和える。生玉子が麺に絡む。チャーシューがほぐれる。

食べる。麺がモチモチしている。玉子の甘味がいい。美味い。ほぐれたチャーシューを麺と一緒に食べる。美味い。

ラー油を丼一回し、ニンニクを匙にすりきり一杯投入する。辛味が加わる。これも美味い。麺を食べ終わると、生玉子やラー油などが混ざったタレが丼の底に残る。酢を少量だけ加える。飲む。美味い。

油そばという名称にも影響されたのか、食べ終わる頃には胃が少しもたれているような気がした。しかし予想外に美味かった。油そばには生玉子が名パートナーだ。

メニュー

品名価格
とんこつラーメン580円
油そば590円
まぜそば630円

店舗

営業時間

平日11:00から23:30まで。土日祝11:00から23:00まで。定休日は元旦のみ。

住所

新宿区高田馬場3-2-5ANビル1F

早稲田沿い北側で高田馬場駅から北へ直ぐ。

油麺にこにこ

店舗外観

2002年6月には既にオープンしていたようだ。

2009年07月25日油麺大盛

にこにこで油麺大盛を食べた。サービス価格で400円だった。

漬物、スープが出され、暫くしてから油麺が出される。卓上のラー油と酢をかけ、混ぜてから食べる。あっという間に食べ終わる。大盛でも物足りなさを感じる。

店主は無愛想。毎月25日はにこにこデーで麺類が400円になる。

店舗

住所

新宿区西早稲田1-8-8ヴェール西早稲田10

大隈商店街の一本西側の路地沿い。大隈商店街にある案内看板が目印。

参考

油麺にこにこ店主の息子
油麺にこにこのオフィシャルホームページの管理人油麺にこにこのウェブ掲示板を2010年5月3日に開設して、2011年5月現在まで運営されている。ラーメンデータベースにこにこ@早稲田の名で登録して、2010年5月5日には塩油麺に100点をつけた記事の投稿もされているようだ。父親思いで大胆な息子のようだ。
このサイトのブログにも来訪されておりました。こんな辺鄙なサイトにまでありがとうございました。今まで気づけていませんでした。ごめんなさい。気づいた瞬間から上記文章に「様」をつけて敬語に変更した。しかも「店主は無愛想」とか書いている。すみません。

武蔵野アブラ学会

店舗外観

2010年9月15日創業。2011年1月26日には神田店を開店させた。maneo(マネオ)で神田店の出店資金ローンを公募している。

株式会社ギガデインによる経営だ。代表者としては、過去に邱永漢氏のもとで働いていた成田樹紀氏をはじめ、木村考宏氏、角幡陽平氏が名を連ねる。板橋区は大山の桐梓林も経営している。

アクティブすぎる。面白すぎる。油そば武蔵野アブラ学会のウェブページを一読すればその楽しさは伝わるだろう。チン正男先生のファンになる人もいるかもしれない。チン正男先生の看板は衝撃的だもの。インターネット上の展開は上手なのだけれども、可も不可もない油ソバ自体をどうするかが課題になってくるかもしれない。味でリピーターをどれだけ増やせるかが勝負なのだろう。

2011年8月現在では、ダブダブダブ特濃油ソバがトップページに掲載されている。ダブダブダブは肉ダブル超え、野菜ダブル超え、麺ダブル超えということらしい。どうやら味よりも量で勝負に出たようだ。1,300円だ。1度は挑戦して欲しい、武蔵野アブラ学会の巨大戦艦油そばとの文句が掲載されている。巨大戦艦という響きはとても魅力的だ。調べてみる。超麺通族(^_^ゞレビューがあった。読んだら少し魅力が薄れた。しかしながら、ともかく油そばで1,000円超では高すぎて、なかなか試そうという気になれないというのが正直なところだ。残念である。

タレはモンドセレクション金賞のタレだ。定められた基準を満たしさえすれば金賞が授与される*らしいが、2011年5月現在ではこのタレでFC募集をしており、一押しのようだ。

麺は板橋区の二葉食品製だ。私どもと真面目さだけが取り得の麺職人のオヤジさんの果てしない議論と試行錯誤、試食会の末にシコシコもっちり太麺は出来上がった*とのことで、既製のものではないようだ。

店舗

住所

新宿区西早稲田1-18-12

新目白通り沿い南側で、都電荒川線早稲田駅前。大隈通り商店街との交差点四つ角。

参考

北狼 早稲田

2012年7月末閉店。

店舗外観

2006年3月27日創業。店主は井澤克彦氏だ。2008年1月7日には品川シーサイド店も開店させたが、同年12月20日に閉店となった。

2009年07月25日赤(辛いあえめん)

北狼で赤(辛いあえめん)を食べる。800円だ。麺をつけダレと和えてから食べる。他にスープも最初から出される。スープ付というところが北狼オリジナルらしい。

唐辛子で赤く染まったつけダレに加えて、麺の上にもチリパウダーがかけられており、さらに食卓にもチリパウダーが準備されている。よく和えて食べる。辛い。徐々に汗ばむ。美味い。麺は太い平打ち麺でポキポキとした食感。悪くない。が、少し残念。具はチャーシュー、メンマ、ナルト、ネギ。最後に豚骨スープを投入して飲み干す。辛い。もう少し食べ方を変えたら、より美味く食べられる予感がしている。

店舗

住所

新宿区西早稲田2-21-7アイクリー弐番館1F

明治通り沿い東側で馬場口交差点から南へ直ぐ。南隣は我羅奢

参考

油そば 春日亭 早稲田店

店舗外観

2009年3月2日に池袋で創業。

早稲田店は2011年7月27日創業。高田馬場や早稲田近辺で最も極端な店、それゆえに代わりとなる似た店がなかった店麺やしげるの跡地だ。そうなのだ。しげるの跡地だ。想いは重い。春日亭にとってはいい迷惑だが、期待は募るばかりだ。

しょうゆ油そばが500円!というのが謳い文句の一つらしいが、あえ麺(油そば)は需要さえ満たせば立ち食いそばのような低価格で供給されても何ら不思議はない。

オープンイベント時には店頭に10名弱の行列が常にあった。

2011年07月29日鳥豚油そば(中)

鳥豚油そば

2011年07月29日に鳥豚油そば(中)を食べた。320円だった。

2011年7月27日に早稲田店は開業した。開業後、オープンイベントの期間中に訪問した。麺やしげるの跡地だ。雑然としていた店内は不要なものが撤去され、シックな内装に変貌していた。入店して右手の食券機で食券を買う。

オープンイベントで鳥豚油そば(中)は通常で650円のところ半額だった。中は1.5玉で225g、茹で後には400gになるらしい。行列は店内で1名だ。待つのは苦手だが仕方がない。待っている間に食券を渡す。食券を渡すとニンニクの量を尋ねられる。ニンニクは普通で注文した。

数分後には席が空き、その後、やはり数分後には油そばを渡してもらえた。

卓上の調味料を何も加えずに食べた。鶏の脂を感じる。薄味すぎる。麺は太麺で縮れている。これは悪くない。

ラー油と醤油を加えて食べた。醤油が香る。ニンニクが効く。悪くない。むしろ美味い。食べながら混ぜる。食べては混ぜ、混ぜては食べた。丼の底にタレが溜まるのだ。このタレにたっぷりと麺を和えてから食べたい。その一心で作業しながら食べる。

320円だ。癖になる味だ。通いたい。通常は650円だ。すると選択肢が一気に広がる。残念ながら魅力は薄れてしまう。

最後に割りスープをもらう。酢で味を整えてから飲み干す。満腹だ。茹で後には400gある。満足した。

店舗

住所

新宿区西早稲田3-15-5

早稲田通り沿い北側で、馬場口交差点から早稲田方向へ数分。

参考

懐旨新味 かつの花

店舗外観

1987年創業のトンカツ料理店だ。2010年2月から裏メニューだった油そばの提供を正式に開始したらしい。

最寄り駅は都電荒川線の早稲田駅か、地下鉄で早稲田駅か江戸川橋駅かになる。アクセスはとても不便だ。

いつだったか、カツののった油そばを食べた。あんまり記憶に残っていない。そこそこ美味かった記憶があるが、再訪していないので、やみつきになるような味ではなかったようだ。

多分、良い店なのだろうけれども、今後も何か機会がない限りは訪問することがなさそうだ

店舗

住所

新宿区戸塚町1-104

参考

麺爺あぶら 早稲田店

店舗外観

2011年7月19日に早稲田店を開業させた。大阪初の油そば専門店*らしい。

『黒』は醤油味¥480、『白』は塩味¥480、『赤』は辛味噌味¥530。 トッピング各種、チャーシュー、煮玉子、半熟玉子、ネギ、のり、とろけるチーズ・・・。 調味料各種、胡麻ラー油、お酢、コショウ、山椒、タバスコ、ポン酢・・・。 大盛、特盛、鬼盛・・・! *

オープン当初は100円セールをしていた。残念ながら食べる機会を逸した。

味は特に美味いわけではないが、かと言って不味いわけでもないようだ。量は少ないらしい。これは残念だ。折角、食事をしてもそれだけでは足りずに、別にもう一食何かを準備しなければならなくなるのだけは避けたい。しっかりと食事するために大盛りにしてしまうと500円オーバーになるが、それでは魅力が薄れてしまう。

多分、100円セールで味を確かめて、それ以降は訪問することがなくなるはずの店だったのかもしれない。味を確かめられなかったので、どこか期待が残ってしまっているが、今後も何か機会がない限りは訪問することがなさそうだ

店舗

住所

新宿区早稲田町69-4 B1F

参考

紅蓮

2009年2月からプレオープンとして極濃海老つけ麺だけを提供してきた。正式オープン後はメニューに香味油そばと焼皿あえそばが加わった。店主は島田昌尚氏。福生の店を無期限休業にして紅蓮を開店した。前の店はカップラーメンまで出した鶏白湯スープで有名なら~めん雫だ。

ら~めん雫紅蓮比較
鶏の雫--
鶏と魚介の雫極濃海老つけ麺「鳥と魚介の雫」の海老出汁を濃厚つけ汁に発展させてつけ麺としたのが「極濃海老つけ麺」(?)
-香味油そば-
限定メニュー焼皿あえそば雫の限定メニューがそのまま焼皿あえそばに(?)

卓上の調味料は一味だけ。出が悪い。他の調味料で味を変化させる選択肢は与えられていない。自信を感じる。しかし不便だ。

訪問履歴

  1. 2009年07月20日極濃海老つけ麺中盛@紅蓮
  2. 2009年07月25日香味油そば中盛@紅蓮
  3. 2009年09月05日極濃海老つけ麺中盛+ライス@紅蓮

営業時間

11:00から。売切仕舞。定休日は日曜日、第一月曜日。

住所

新宿区早稲田鶴巻町517

早稲田大学正門から早稲田正門通りを歩いて直ぐ右手。

参考

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作者:馬場飯