麺や しげる(激辛大盛の坦々つけめん)@早稲田 - 高田馬場B級グルメ

麺やしげるの白胡麻坦々つけめんは惹かれて近寄るものの腹を叩き壊す鈍器だった。

あまりにも美味すぎた。夢中で食べた。大盛レベル2だ。その満腹感は1日3食を不可能にした。1日1食だけ白胡麻坦々つけめんを食べさえすれば腹が減ることもなく暮らしていけた。また、その辛味は痛覚を刺激しつつもマゾヒスティックな快楽を呼び起こし、中毒症状を惹き起こすにまで至った。毎週何度かは通わざるを得なかった。そしてその翌日は必ずトイレで苦しんだ。あまりにも危険な店だった。

忘れもしない2011年の正月だ。嫁様と一緒に麺やしげるに出撃した。何だか嬉しかった。その素晴らしさを嫁様に熱く語ったりもしてしまった。しかし嫁様は麺も汁も食べきれなかった。「とても量が多くてとても濃いのね」が感想だった。折角なので、嫁様の分まで有り難く頂戴した。堪能した。

まもなくして嫁様からしげる禁止令が布告された。「しげるは週に一度まで。大盛は駄目よ」と優しく諭された。嫁様は常に賢明である。

当然のことだが嫁様の掟は絶対だ。己の運命を憐れみ、嘆き悲しんだが、時既に遅かった。

週末にだけしげるに通う生活が続いた。しかし、しげるの魅惑に負かされて掟を破り、白胡麻坦々つけめんを食べてから帰宅したこともあった。そのときは、しげる臭と腹の膨れ具合から罪が露呈し、懺悔を余儀なくされた。

数ヶ月もすると、しげるに通わなくても生きていける身体に回復してきた。

そして1ヶ月が過ぎた。

しげるが閉店した。

何が起きたのか理解に苦しみ、その後、罰を与えられたのだと思った。白胡麻坦々つけめんを食べなくても生きていけるようになったのを罰せられたのだ。「食べなくても生きていけるならば永遠に食べることなかれ」だ。

巫山戯るな、ばかやろー、コンチクショウ!……頼むから勘弁してくれ。俺が悪かった。

全てが既に遅かった。

以下は2011年6月25日に閉店した麺やしげるの記録である。早稲田で唯一無二の絶品つけめんが喰える名店だった。

紹介

麺やしげるとは?

しげるは極端な店だ。

麺量が多い有名店はべんてんや三ツ矢堂製麺で、二郎や大勝軒が続くのかもしれないが、しげるは負けていない。

辛さで有名な店は高木やティーヌンで、高田馬場に店舗のない有名店では蒙古タンメン中本などがあるが、しげるは負けていない。

濃さで有名な店は武道家だが、やはりしげるは負けていない。むしろしげるほど粘度が高くて濃いつけ汁は他店で提供されたことがない。

高田馬場や早稲田近辺で最も極端な店、それゆえに代わりとなる似た店がない店、それがしげるなのだ。

店舗外観

2001年11月*には既に現在の場所に天鳳フランチャイズ店としてオープンしており、2009年4月9日には「麺や天鳳 しげる」は「天鳳」の屋号がなくなりました*とのことだ。きっと独立したのだろう。

入り口の店内右隣に食券機がある。ポップや説明書きが多数貼られている。期待が膨らむ。しかしどのボタンがどのメニューの食券であるのかが分かりづらい。注意したい。以前、白胡麻坦々麺と白胡麻坦々つけめんを間違って購入したこともある。もし間違った食券を購入したら、食券を渡すときに訂正しよう。希望するメニューで注文を受け付けてもらえる。

席はカウンター席のみだ。入り口から左に2-3席、正面に8-10席ある。左側数席は、奥に給水器や漫画の本棚があるため、直ぐ傍らの給水器から激しい音をたてて氷が出たり、席の後ろを人が行き来したりすることが多い。落ち着いて食べられない。避けたほうが無難だ。

水はセルフサービスだ。入り口から左奥の給水器のほかに、カウンター中央にもウォーターサーバーがある。近い方で水を汲む。

席についたら、食券を渡すのだが、注文を確認されたり、追加で注文を伝えたりする。例えば、白胡麻坦々つけめんと辛味噌つけめんは同じ食券なので、どちらにするかを尋ねられる。また辛さや麺、スープ・つけ汁、脂の好みを変更できるのだが、これらはこのときに伝えることになる。

辛さはレベル1から3まで選べる。中本の北極や高木やの辛しみそ、カレーではCoCo壱の10辛やメーヤウのチキンも普通に食べきれる自分だが、レベル3は身体の危険を感じてつけ汁を飲み干せずに残してしまった。レベル3を注文すると店員から「本当に辛いです。大丈夫ですか」と警告される。真摯に聞き入れて注文を撤回しておくべきだった。この経験以来、普段はレベル1で注文している。時々レベル2で注文するが翌日は尻の穴が痛辛くなる。なお、辛みが苦手な人は辛さひかえめでも注文できる。

また辛さだけではなく家系ラーメンのように、麺はかため・ふつう・やわらかめ、スープやつけ汁はこいめ・ふつう・うすめ、脂はおおめ・ふつう・すくなめから選べる。つけ麺の場合はあつもりも選べる。

卓上には、すりおろしニンニクや白胡麻、すりつぶされた唐辛子、白胡椒がある。

客数にも左右されるが、それほど待ち時間は長くない。つけ麺の場合は、カウンター越しに麺の大皿とつけ汁の椀を手渡されるのだが、つけ汁の椀は要注意だ。店員からも声をかけられるが、とても熱い。うっかり掌で受け取らないようにしよう。

白胡麻坦々つけめん

最も好みのメニューは白胡麻坦々つけめんだ。むしろしげるでは白胡麻坦々つけめんの一択だ。高田馬場・早稲田界隈で最も美味い飯の一つだ。ちなみに白胡麻坦々麺ではなく白胡麻坦々つけめんだ。注意されたし。

白胡麻坦々つけめんは、つけ汁の粘度がとても高い。ツルツルの麺でも絡み纏わりつく。しげるよりもつけ汁の粘度の高いつけ麺を食べたことがない。

とても濃厚である。しげるよりも濃厚なつけ麺を食べたことがない。他店で似たつけ汁が提供されたことはない。この店でしか味わえないつけ汁だ。濃厚すぎる。もう少し水や出汁で割って濃度を整えるべきなのだろう。当然ながら健康にも悪いだろう。

しかし美味いのだ。とても美味いのだ。辛味を加えてレベル1以上にすることは必須である。濃厚さには辛味が合う。卓上のすりおろしニンニクを追加しても良い。強烈なつけ汁はニンニクなどに負かされなどしない。癖になる。とても危険な味だ。

つけ麺の場合、麺はストレートな太麺になる。口当たりよく、歯ごたえもよい。噛むとモチモチしている。そこそこ美味い。あつもりにすると口当たりも歯ごたえも悪くなり、炭水化物の塊を食べている気にさせられるが、つけ汁の持ち上げ具合は抜群に良くなる。寒い時期にはこれはこれで面白い。そして、量が多い。並470g、大盛690g、特盛940gだ。並で満腹だ。大盛は何とか食べきれるギリギリの量だ。特盛は怖くて注文したことがない。なお、特盛を注文すると店員からは「つけ汁が途中でなくなることがあるから麺を浸すときには量を注意してください」と告げられる。

麺を食べ終わる頃には、つけ汁は麺に絡め取られてほぼなくなり、椀には沈んでいた肉味噌や高菜が残る。これをスープ割りしてもらう。スープ割りを注文するとネギを刻んで投入してくれる。これはとてもいい。しかし割ってくれるスープがこれまた濃厚なのだ。最後はあっさりめにいきたいのだが、それを許してくれない。最近は慣れてきつつあるものの、最後のここだけは今もまだ参ってしまう。食後の水は必須である。

訪問履歴

  1. 2011年04月22日白胡麻坦々つけめん大盛レベル1
  2. 2011年04月27日白胡麻坦々つけめん並あつもりレベル1
  3. 2011年05月05日白胡麻坦々つけめん並レベル1+サービスライス

店舗

メニュー

らーめん麺量
大盛
にぼし中華そば550円600円
塩らーめん650円700円
こってりとんこつ醤油700円730円
魚豚らーめん750円780円
ピリ辛ネギチャーシュー麺800円
白胡麻坦々麺750円780円
黒胡麻坦々麺780円800円
つけめん麺量

470g
大盛
690g
特盛
940g
白胡麻坦々つけめん750円780円880円
辛味噌つけめん
辛みつけめん750円850円
魚豚つけめん
あえ麺(油そば)麺量

320g
大盛
450g
しげ盛
油そば(醤油)600円700円
油そば(辛味)
汁なし坦々麺750円780円
品名価格
ごはん50円
ねぎめし100円
スタミナ丼250円
チャーシュー丼250円
ビンビール500円
ゆでギョウザ300円
おつまみチャーシュー350円
トッピング温玉+50円
味玉+100円
のり
ネギ
チャーシュー+300円

18時まではライスが無料。女性には小さい杏仁豆腐が無料。

営業時間

月曜日から木曜日までは11:30から24:00。金曜日と土曜日は11:30から25:00。定休日は日曜日。

住所

新宿区西早稲田3-15-5

早稲田通り沿い北側で、馬場口交差点から早稲田方向へ数分。

参考

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作者:馬場飯